特別に厳選したブドウを長期熟成させた限定キュヴェ。熟成由来の複雑さと深み、滑らかな口当たりが魅力の逸品。
南ローヌを代表する生産者ドメーヌ・デュ・ペゴーが手掛ける上級キュヴェのひとつであり、長期熟成型の特別なシャトーヌフ=デュ=パプです。通常の看板ワインである「キュヴェ・レゼルヴェ」と同じブドウから造られるものの、その中でも選りすぐりのロットをさらに樽で長期熟成させ、約4年という年月をかけて完成させる限定品です。
ブドウ品種はグルナッシュを主体に、シラーやムールヴェードル、その他複数の品種を使用。使用する畑は主にシャトーヌフ=デュ=パプ内の名高い区画「ラ・クロー(La Crau)」で、樹齢50年以上の古木から手摘みで収穫されます。醸造は全房発酵で自然酵母を使用し、フードルと呼ばれる大型の古樽で長期間熟成。これにより、果実の力強さとともに熟成からくる複雑な香りや深みが際立ちます。
香りにはブラックベリーやプラムの濃密な果実に加え、黒胡椒やリコリス、ハーブ、タバコ、レザーといった熟成由来の複雑なニュアンスが重なります。味わいは豊潤でありながらも滑らかで、しっかりとしたタンニンと酸が骨格を形づくり、余韻は長く続きます。
通常のレゼルヴェよりも熟成を経ているため、リリース時点から飲み頃に入りつつも、さらに10〜20年の長期熟成も期待できるポテンシャルを持っています。
赤身肉のローストやジビエ、熟成チーズなどと抜群の相性を見せ、まさにペゴーの伝統と技術が凝縮された逸品です。
Domaine du Pegau(ドメーヌ・デュ・ペゴー)
フランス・ローヌ地方の銘醸地シャトーヌフ=デュ=パプを代表する名門ワイナリーのひとつです。その歴史は古く、現当主ローランス・フェローの家系であるフェロー家がこの地に根を下ろしたのは17世紀まで遡ります。しかし「ペゴー」の名で本格的にドメーヌとして独立したのは1987年のこと。ローランス・フェローが父ポールと共にわずか5haの畑からスタートさせたのが始まりです。
「ペゴー」という名前は、14世紀の教皇庁時代に使われていたワイン用の壺「ピッチャー」を意味する古いプロヴァンス語に由来しており、土地と歴史への敬意が込められています。創業以来、ドメーヌ・デュ・ペゴーは家族経営を貫き、ローヌ地方の伝統的な手法を守りながら、世界中のワイン愛好家から高く評価される造り手へと成長しました。
現在所有する畑は約70haにおよび、シャトーヌフ=デュ=パプに限らず、コート・デュ・ローヌやVin de Franceとしてリリースされるワインも造っています。畑の多くには樹齢50年以上の古木が植えられており、主にグルナッシュを主体にシラーやムールヴェードルなどの品種が栽培されています。なかでもシャトーヌフ=デュ=パプ地区の名高い区画「ラ・クロー(La Crau)」の古樹から生まれるワインは、特に力強く複雑な味わいが特徴です。
醸造においても伝統を重んじ、ぶどうは基本的に除梗せず全房発酵、自然酵母による醗酵、そして2年以上の長期熟成を経てリリースされます。熟成には主に大樽(フードル)が用いられ、樽の香りに頼らずブドウ本来の個性とテロワールを素直に表現するスタイルを貫いています。
ドメーヌ・デュ・ペゴーの代表作は「キュヴェ・レゼルヴェ」と「キュヴェ・ダ・カーポ」。特に「ダ・カーポ」は非常に限られた年にのみ造られる特別なワインで、世界的な評論家ロバート・パーカーから100点を獲得するなど、世界中で絶賛されています。また、もうひとつの上位キュヴェ「キュヴェ・ローランス」も長期熟成型として知られています。
これらのワインは、黒系果実の濃厚なアロマにハーブやスパイス、動物的なニュアンスが複雑に絡み合い、時間とともに表情を変える奥深さを持っています。20年以上の熟成にも耐えるポテンシャルを持ち、まさに南ローヌ最高峰の風格を備えています。
伝統を重んじつつも革新を恐れず、今やペゴーは南ローヌを代表する造り手としてその地位を確立しました。濃厚でありながらもエレガンスを忘れないそのスタイルは、まさにこの地の魅力を凝縮した存在です。
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