ピノ・ノワールの力強さとシャルドネの繊細さが絶妙に調和したヴィンテージ・シャンパーニュ。
このヴィンテージは、ピノ・ノワールの「赤」をまとい、大胆なアッサンブラージュによって力強さと生命力を体現しています。約16年もの熟成を経て、果実そのものの姿を表現するような、濃密で肉感的な味わいが生まれました。
香りはローズやオレンジオイル、サフランが一瞬掠めた後、ラズベリーやチェリーなどの赤い果実が主体となり、カシスやイチジクの控えめなタッチが加わります。さらにジンジャーブレッドや甘草のニュアンスが広がり、温かみのあるフィニッシュへと導きます。口当たりは滑らかでまろやか、口蓋の中心に到達すると愛撫のような親密感が広がり、力強さは抑制されながらも堂々とした存在感を放ちます。
料理とのペアリングでは、ラズベリーやチェリーの果実味が料理の風味を引き立て、甘草やスパイスのニュアンスが複雑さを加えます。特に熟成した肉料理や、香り高いアジア料理との相性は抜群です。
ドン・ペリニヨン・ロゼ・2009は、単なるシャンパーニュではなく、自然の力と人の技が織りなす芸術作品のような存在。その一杯には、季節の移ろいと職人の情熱が詰まっているのです。
Dom Pérignon (ドン・ペリニヨン)
「世界最高のワインを造る」——この言葉を掲げ、17世紀末にシャンパーニュの礎を築いた修道士、ドン・ピエール・ペリニヨン。その名を冠するシャンパーニュ「ドン・ペリニヨン」は、彼の革新と情熱を受け継ぎ、今もなお世界中の人々を魅了し続けています。
ドン・ペリニヨンの物語は、フランス・シャンパーニュ地方のオーヴィレール村にあるサン・ピエール修道院から始まります。修道士ペリニヨンは、瓶内二次発酵による発泡性ワインの技術を確立し、黒ブドウから白ワインを造る方法や、異なる畑・品種・収穫年のワインをブレンドする「アッサンブラージュ」の技術を生み出しました。彼の創造力は、現在のシャンパーニュ造りの基礎となり、後世に多大な影響を与えました。
その精神は、18世紀後半にモエ・エ・シャンドン社によって受け継がれ、1936年に「ドン・ペリニヨン」として初めて市場に登場。以来、LVMHグループの中でも最高級の位置づけを持つブランドとして、世界のシャンパーニュ市場を牽引しています。
ドン・ペリニヨンの最大の特徴は、「ヴィンテージ・オンリー」という哲学。つまり、単一年に収穫されたブドウのみを使用し、その年の個性を最大限に表現するというこだわりです。作柄が基準に達しない年には、製造を行わないという徹底ぶり。これは、完璧なハーモニーを追求する創造の旅の一部であり、妥協を許さない姿勢の象徴でもあります。
最低8年の熟成を経てリリースされるヴィンテージは、フレッシュさと熟成感の二面性を持ち、時間とともに新たな表情を見せてくれます。さらに、熟成の段階に応じて「P2(プレニチュード2)」や「P3(プレニチュード3)」といった特別なキュヴェも展開されており、それぞれが異なる熟成の頂点を体現しています。
ドン・ペリニヨンは、シャンパーニュ地方のグラン・クリュとプルミエ・クリュの畑から厳選されたシャルドネとピノ・ノワールを使用。オーヴィレール村の石灰質土壌がもたらすミネラル感と、ブドウの力強さが融合し、複雑で深みのある味わいが生まれます。
醸造責任者(シェフ・ド・カーヴ)は、ブランドの哲学を忠実に守りながら、毎ヴィンテージに新たな命を吹き込む存在。彼らは、自然の恵みと人の技術を融合させ、感動を呼ぶシャンパーニュを生み出す「芸術家」としての役割を担っています。
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