アルザスの最高峰の作り手ヴァインバック社による入手困難な究極の甘口ワイン。
SGNは、貴腐菌(ボトリティス・シネレア)がぶどうに理想的に作用し、水分が失われることで糖分・酸・旨味が極限まで凝縮された状態で収穫される、アルザス最高峰の製法です。しかしその成立は天候に大きく左右され、毎年造られるものではありません。さらに本キュヴェは、収穫された貴腐ぶどうの中でも最良の区画・最良の果実のみを使用するため、生産量はごく僅少。市場に流通する本数も極めて限られています。
色合いは深みのある黄金色。蜂蜜、ドライアプリコット、黄桃のコンポート、オレンジピール、サフランやスパイスのニュアンスが幾重にも重なり、圧倒的な凝縮感を感じさせます。口に含むと、非常に高い残糖を持ちながらも、ピノ・グリ由来のしっかりとした酸とミネラルが全体を引き締め、重さを感じさせない完璧なバランスを実現。余韻は非常に長く、甘美さと緊張感が静かに続いていきます。
このワインは数十年単位の熟成ポテンシャルを備え、時間とともにさらに複雑で深遠な表情へと進化します。フォアグラやブルーチーズとの相性はもちろん、食後にゆっくりと味わう“瞑想のワイン”としても最上級の存在です。
希少性、完成度、熟成能力、そのすべてにおいて特別。
アルザス甘口ワインの頂点を体現する、まさにコレクターズ・キュヴェです。
Weinbach (ヴァインバック)
ドメーヌの歴史は1612年、カプチン派修道士たちがこの地に修道院を築き、ぶどうを育て始めたことに始まります。彼らは自然と向き合いながら、土地の個性を生かすワイン造りを行ってきました。その精神は時代を超えて受け継がれ、1898年にファレール家がこの地を取得して以降、現在に至るまで一貫して守られています。
20世紀後半には、当主テオ・ファレールのもとで品質が飛躍的に向上し、ヴァインバックは「アルザス最高峰の造り手」のひとつとして世界的な評価を確立しました。現在は、娘のカトリーヌを中心に次世代へと受け継がれ、伝統と革新を両立したワイン造りが続けられています。
ヴァインバックの最大の特徴は、「テロワールをそのままグラスに映す」という明確な哲学です。畑では1990年代から有機栽培を取り入れ、2005年以降はすべての畑でビオディナミ農法を実践。土壌の生命力を高め、ぶどう本来の力を最大限に引き出すことを重視しています。収穫はすべて手摘みで行われ、完熟したぶどうだけを厳しく選別します。
醸造においても、人の手は必要最小限。天然酵母による発酵、アルザス伝統の大樽での長期熟成により、果実味だけでなく、土地由来のミネラル感や奥行きのある味わいが生まれます。派手さではなく、静かで深い余韻を大切にするスタイルは、料理との相性の良さでも高く評価されています。
所有する畑には、アルザスを代表するグラン・クリュシュロスベルグをはじめ、修道士の時代から受け継がれる単独所有畑クロ・デ・カプサンなど、特別な区画が含まれます。これらの畑から生まれるリースリング、ピノ・グリ、ゲヴュルツトラミネールは、それぞれの土壌や微気候の違いを明確に映し出し、飲み手に産地の個性をはっきりと伝えてくれます。
ドメーヌ・ヴァインバックのワインは、決して大量生産されるものではありません。しかしその一本一本には、400年以上続く歴史、土地への敬意、そして家族の情熱が詰まっています。アルザスワインの本質を知りたい方、食事とともにじっくり味わえるワインを求める方にこそ、手に取っていただきたい生産者です。
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