「私の祖父はレモネード売りだった」と名付けられた白ワイン。瑞々しい果実味と繊細さが調和する上質な味わい。
外観は淡いゴールド。香りには洋梨や白桃、リンゴなどのフレッシュな果実香が広がり、加えてアカシアの花や白い花、ほんのり蜂蜜やナッツのニュアンスも。温度が上がるにつれて、熟した果実やミネラル感が顔を覗かせます。
味わいはミディアムボディで、ジュリアン・ピロンらしい繊細でクリーンな果実味が魅力。口当たりは爽やかでフルーティー、丸みと豊かなテクスチャーが広がります。酸は穏やかで柔らかく、果実の甘美な風味とともに余韻まで持続。過度な重さがなく、飲み心地の良いスタイルです。
合わせる料理としては、白身魚のカルパッチョや鶏肉のグリル、クリームソースを使った料理とも好相性。北ローヌの白らしいコクと果実味をバランス良く楽しめる、食卓に寄り添う1本です。ジュリアン・ピロンの技術とセンスが詰まった、肩肘張らずに楽しめる上質な白ワインです。

Julien Pilon(ジュリアン・ピロン)
北ローヌを代表する若手スター生産者です。ローヌの出身ながら、家族にワイン生産の背景はなく、大学で醸造学を学んだ後、ルシヨンの Mas Amiel、スペイン・カタルーニャの Terra Remota、ローヌのPierre Jean Villaらの下で10年以上経験を積みました。こうした地道な修行が彼のスタイルとセンスを磨きました。
2010年、両親宅のガレージで初ヴィンテージを醸したのち、2011年にはコンディリューのセラーを借りてネゴシアンとして醸造を開始します。やがて自ら区画を取得し、畑は現在所有・賃借合わせて約5ヘクタール、残りは厳選した購入葡萄で構成。収穫はすべて手摘みで、オーガニックへの切り替えも進行中です。
彼のワインは約80%が白で、主要品種はヴィオニエ、マルサンヌ、ルーサンヌ。赤はシラー100%でクローズ・エルミタージュやサン・ジョセフ、コルナス、コート・ロティといった名立たるAOCで生産しています。
畑は花崗岩や粘土、シスト土壌が主体で、高密度植樹・手摘み・区画別醸造・低温発酵・熟成法を細やかに使い分けるなど、極めて丁寧な造りが特徴です。
ワインは「テロワールの表現」に重きを置き、白はフレッシュかつテクスチャー豊かで、ミネラルとナッツ、シトラスやアプリコットの繊細なアロマを持ち、赤はスパイスやブラックフルーツ、柔らかなタンニンと余韻の長さが高評価です。
代表キュヴェには、北ローヌの産地を個性豊かに反映する「Condrieu Lône(ヴィオニエ)」「Hermitage Prisme(マルサンヌ)」「Crozes-Hermitage Buveur d’Argile(シラー)」「Saint-Joseph Dimanche à Lima」などがあり、ラ・ルヴル・ドゥ・ヴァン・ド・フランス誌やRobert Parker系にも注目される存在となっています。
2020年には自社セラーを建設し醸造設備を強化。さらに、世界各地の輸入業者やソムリエから「テロワールに忠実かつエレガントでバランスの取れた白ワインをつくる生産者」として高い評価を得ており、「ローヌ白の再興」を象徴する人物とされています。
ジュリアン・ピロンは、「土地を持たないネゴシアン」としてスタートし、テロワールへの敬意を持った丁寧な畑仕事と醸造で、約5㏊のドメーヌと一流の区画を手がけています。白はフレッシュで奥深く、赤はスパイシーかつ繊細と、正確性と表現力に優れ、地元の土着品種を新旗手として世界に知らしめる、注目すべき造り手です。
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