古樹由来の奥行きある果実味と澄んだミネラル。北ローヌ・サン・ペレイの上質な白ワイン。
フランス・ローヌ北部の小規模AOC、サン=ペレイを代表する白ワインで、代々栽培を続ける Rémy Nodin(レミー・ノダン)による定番キュヴェです。畑は粘土石灰質土壌の丘陵地に位置し、マルサンヌ約70%、ルーサンヌ約30%を1985年・2004年・2012年植栽の古樹から収穫。収穫はすべて手摘みで行われます。
製造工程は、収穫したぶどうを破砕後、3時間かけて圧搾し、24〜48時間の自然澱沈降。その後、低温(1ヶ月)発酵し、7〜8ヶ月間ステンレスタンク内で澱と共に熟成。酸化を抑え、純粋な果実味とミネラル・フレッシュさを保つスタイルを志向しています。
色調は明るい淡いレモンイエローで、香りは白い花やアカシア、洋梨、白桃、アプリコットといった華やかで透明感ある香味に、火打石のようなミネラル感がアクセントを与えています。
味わいは滑らかで軽快なアタックから、ミディアムボディの丸みと程よい厚みが広がり、中盤には果実味と鉱物感のバランスが秀逸です。酸はしなやかで、夏でも爽やかに楽しめるフレッシュ感がありつつ、マルサンヌ由来のほのかなクリーミーさとルーサンヌのナッティさが余韻にふくらみを与えています 。
飲み頃としては、2026~2028年に飲みごろのピーク、そして2030年頃まで十分楽しめるポテンシャルを持つワインです。
相性のよい料理としては、牡蠣や白身魚、貝柱、生ガキ、鶏肉のクリームソース、キノコ料理、あるいはドライタイプのヤギチーズとのペアリングが特におすすめ。澄んだミネラル感と果実の甘味、酸が心地よく調和します。
Rémy Nodin(レミー・ノダン)
フランス北ローヌ地方のアペラシオン・サン=ペレイ(Saint-Péray)に拠点を構えるワイン生産者で、Domaine de La Beylesse(ドメーヌ・ド・ラ・ベレス)を運営しています。ドメーヌの起源は12世紀にまで遡り、もともとは地元貴族の領地でした。1907年にノダン家がこの土地を取得して以来、代々ブドウ栽培を続けてきました。
現当主のレミー・ノダンは4代目であり、2008年にわずか1haの畑でワイン造りをスタート。幼少期からブドウ畑で過ごし、若くして醸造家の道を志しました。現在では所有・賃借含め約9haまで拡大し、サン=ペレイ、コルナス、クロズ・エルミタージュ、サン=ジョセフといったローヌ北部の銘醸地に区画を持っています。
このLa Beylesseは、サン=ペレイ地区の中心部にあり、古い石造りの建物を活用した醸造施設が特徴で、フランスの文化遺産登録も検討されている由緒あるものです。標高は180~300mに位置し、粘土石灰質の土壌がブドウに独自のミネラル感を与えています。
醸造における信条は「伝統と革新の融合」。発酵は区画ごとに管理され、白ワインは主に低温発酵で果実味を生かし、赤は区画別に熟成期間や樽の種類を細かく調整。さらにバイオ有機農法への移行も進めており、除草剤や化学肥料を使用せず、自然に寄り添った農法を採用しています。
主力キュヴェには、白ワイン「La Colline Dorée」や樹齢80年超の古樹から造られる「Le Suchat」、赤では単一畑から生まれる「Cornas Les Eygats」などがあり、それぞれがテロワールを表現した上質な味わいで高く評価されています。
伝統ある土地を継承しつつ、品質重視・自然志向で進化し続けるRémy Nodinは、サン=ペレイの復興を象徴する生産者であり、これからさらに注目が高まっていく存在です。
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