北ローヌの名門シャプティエが手掛けるクローズ・エルミタージュの上級キュヴェ。
M.シャプティエは、1808年創業の北ローヌを代表する名門メゾンであり、ビオディナミ農法の先駆者としても世界的に高い評価を受けています。単なるテクニックに頼らず、畑ごとの個性=テロワールを明確に表現することを哲学とし、エルミタージュをはじめとする数々の銘醸ワインを世に送り出してきました。
「レ・ヴァロニエ」は、クローズ・エルミタージュの中でも特に評価の高い区画から生まれるキュヴェで、シャプティエがこのアペラシオンの実力を世界に示した象徴的存在です。石灰質と粘土質が混じる土壌に植えられたシラーは、力強さだけでなく、フィネスと熟成ポテンシャルを兼ね備えています。
2010年ヴィンテージは、北ローヌにおいて非常に評価の高い当たり年。生育期を通して安定した天候に恵まれ、ブドウは理想的な成熟を迎えました。その結果、果実の凝縮感、酸、タンニンのバランスに優れ、長期熟成にも耐えうる構造を備えたワインが生まれています。
グラスに注ぐと、深みのあるガーネット色。香りはブラックベリーやカシスといった黒系果実に、黒胡椒、スミレ、甘草、スモークのニュアンスが重なり、北ローヌのシラーらしいスパイシーで複雑なアロマが広がります。時間の経過とともに、レザーや土、ドライハーブといった熟成由来の香りも顔を出します。
味わいはフルボディでありながら、2010年の成熟したタンニンは非常に滑らか。果実味の凝縮感としなやかな酸が美しく調和し、余韻は長く、ミネラル感とスパイスが心地よく残ります。パワフルでありながら洗練されており、単なる濃厚さに留まらない完成度の高さが際立ちます。
すでに十分な熟成を経ており、今まさに飲み頃を迎えていますが、適切な保管環境であれば今後もさらなる複雑さが期待できます。デキャンタージュを行うことで、より立体的な表情を楽しむことも可能です。
料理との相性は、ラム肉のロースト、牛ステーキ、ジビエ、赤ワイン煮込みなど、しっかりとした味わいの肉料理がおすすめ。スパイスやハーブを使った料理とも相性が良く、食卓を格上げしてくれる存在です。
テロワールの個性を自由自在に操る『M. シャプティエ社』
M.シャプティエ社は南北に長く広がるローヌ地方で、北はコート・ロティから南はシャトー・ヌフ・デュ・パプに至るまで、80haを超える広大な面積の自社畑を所有しています。
また、優れた葡萄栽培家とも多く契約し、南北の対照的な生産地区の気候や土壌、栽培品種や品種構成の違いなどそれぞれの特徴を活かしたワインを手がけています。
現在、同社の代表を務めるのは、醸造家でもあるミシェル・シャプティエ氏。ミシェル氏はいち早くビオディナミ農法を実践し、M.シャプティエ社のワインはそれ以来飛躍的な発展を遂げています。究極の有機農法といわれるビオディナミ農法によって育てられた自社畑の葡萄で造られるワインはすべてオーガニックワインとして公式に認められています。
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