銘柄名にもなっている「オート・コート・ド・ニュイ地区」は、ブルゴーニュ地方の北半分のエリアを指すエリアです。比較的赤ワインの生産が盛んで、比較的渋みを持つ力強いワインができあがりますが、同じ銘柄でも生産者の色が非常に反映されるのも特徴のひとつです。「モンジャール・ミュニュレ」のオート・コート・ド・ニュイは、ほど良い果実味と渋みを感じますが、全体的にはライトボディなスタイルです。これは「軽快」というよりは「マイルド」という印象ですが、樹齢の長い樹からとれたぶどうを使用しているのも、その味わいの理由です。名門ミュニュレのワインが比較的リーズナブルに楽しめる嬉しい一本です。

モンジャールの姓は17世紀の初め、1620年頃からブルゴーニュで見られ、代々ブドウ栽培を生業としてきた家系です。
現当主ヴァンサン・モンジャールの父、ヴォーヌ・ロマネ村の村長も務めたジャンの時代にドメーヌは大きく成長。さらにヴァンサンが拡大し、現在、ブドウ畑の面積は33ha。
北はマルサネから南はサヴィニー・レ・ボーヌまで35のアペラシオンを所有していています。

特級畑リシュブールも所有するとはいえ、このドメーヌの華はなんといってもエシェゾーとグランゼシェゾー。前者はエシェゾー・デュ・デュス、ルージュ・デュ・バ、レ・トゥルーの3つの区画に分かれまが、1929年に植樹したルージュ・デュ・バのブドウはすべてエシェゾー・ヴィエイユ・ヴィーニュとして瓶詰めされます。

ブドウ栽培では2003年から一部の畑(ニュイ・サン・ジョルジュ1級ブード、ヴォーヌ・ロマネ1級シュショ、プティ・モン、それに全特級クリマ)でビオロジック農法を始めています。

父ジャンの時代、このドメーヌのワインは新樽の香りが顕著に感じられましたが、近年のワインは樽香が果実味の中にきれいに溶け込み、洗練さを増しています。

ワインはテロワールの個性を余すことなく活かし、モダンでありながら、古き良き時代の要素も上手く取り入れており、誰もが素直に楽しめる見事な造りです。
どのヴィンテージにおいても常に高い品質と満足度を約束してくれる素晴らしいドメーヌです。