選ばれた年にしか造られない極少量生産の特別な1本。濃密な果実味と重厚な余韻が魅力で、熟成による深化も楽しめる希少キュヴェ。
ドメーヌ・デュ・ペゴーが誇るフラッグシップともいえる特別なキュヴェです。1998年に初リリースされて以来、2000年、2003年、2007年、2010年、2016年、そして最新の2020年と、わずか7リリースしか存在しない極めて希少な逸品で、世界中のワイン愛好家から高い評価を得ています。
使用されるぶどうは、グルナッシュを主体にシラー、ムールヴェードル、その他複数の品種をブレンド。シャトーヌフ=デュ=パプを代表する名高い区画「ラ・クロー(La Crau)」の古樹から収穫されるブドウを使用しています。収穫はすべて手摘みで行われ、除梗せずに全房で自然酵母による発酵を実施。熟成は伝統に則り大型のフードルで24ヶ月以上行われます。
2020年ヴィンテージは気候条件にも恵まれ、熟した果実と凝縮感、骨格の力強さが見事に調和した仕上がりです。色調は濃密なガーネット。香りはブラックチェリーやプラムなどの熟した果実に、黒コショウやリコリス、ハーブ、革、動物的なニュアンスが重層的に絡み合います。
味わいは豊潤で圧倒的な果実の凝縮感が広がり、それを支えるしっかりとしたタンニンと張りのある酸が見事なバランスを生み出しています。余韻は非常に長く、時間の経過とともにさらに複雑さと奥行きが増していきます。
このワインはリリース直後から楽しめる一方で、20〜30年におよぶ長期熟成も視野に入れられるポテンシャルを秘めています。重厚でありながらエレガンスも併せ持つ、まさにペゴーの真髄を体現した一本です。ジビエや赤身肉のロースト、熟成チーズとの相性も抜群で、特別な食卓にふさわしい堂々たる存在感を放つワインです。
Domaine du Pegau(ドメーヌ・デュ・ペゴー)
フランス・ローヌ地方の銘醸地シャトーヌフ=デュ=パプを代表する名門ワイナリーのひとつです。その歴史は古く、現当主ローランス・フェローの家系であるフェロー家がこの地に根を下ろしたのは17世紀まで遡ります。しかし「ペゴー」の名で本格的にドメーヌとして独立したのは1987年のこと。ローランス・フェローが父ポールと共にわずか5haの畑からスタートさせたのが始まりです。
「ペゴー」という名前は、14世紀の教皇庁時代に使われていたワイン用の壺「ピッチャー」を意味する古いプロヴァンス語に由来しており、土地と歴史への敬意が込められています。創業以来、ドメーヌ・デュ・ペゴーは家族経営を貫き、ローヌ地方の伝統的な手法を守りながら、世界中のワイン愛好家から高く評価される造り手へと成長しました。
現在所有する畑は約70haにおよび、シャトーヌフ=デュ=パプに限らず、コート・デュ・ローヌやVin de Franceとしてリリースされるワインも造っています。畑の多くには樹齢50年以上の古木が植えられており、主にグルナッシュを主体にシラーやムールヴェードルなどの品種が栽培されています。なかでもシャトーヌフ=デュ=パプ地区の名高い区画「ラ・クロー(La Crau)」の古樹から生まれるワインは、特に力強く複雑な味わいが特徴です。
醸造においても伝統を重んじ、ぶどうは基本的に除梗せず全房発酵、自然酵母による醗酵、そして2年以上の長期熟成を経てリリースされます。熟成には主に大樽(フードル)が用いられ、樽の香りに頼らずブドウ本来の個性とテロワールを素直に表現するスタイルを貫いています。
ドメーヌ・デュ・ペゴーの代表作は「キュヴェ・レゼルヴェ」と「キュヴェ・ダ・カーポ」。特に「ダ・カーポ」は非常に限られた年にのみ造られる特別なワインで、世界的な評論家ロバート・パーカーから100点を獲得するなど、世界中で絶賛されています。また、もうひとつの上位キュヴェ「キュヴェ・ローランス」も長期熟成型として知られています。
これらのワインは、黒系果実の濃厚なアロマにハーブやスパイス、動物的なニュアンスが複雑に絡み合い、時間とともに表情を変える奥深さを持っています。20年以上の熟成にも耐えるポテンシャルを持ち、まさに南ローヌ最高峰の風格を備えています。
伝統を重んじつつも革新を恐れず、今やペゴーは南ローヌを代表する造り手としてその地位を確立しました。濃厚でありながらもエレガンスを忘れないそのスタイルは、まさにこの地の魅力を凝縮した存在です。
関連商品